金属学会誌まてりあ「談話室」寄稿へむけた情報収集の一環として.
JSTが作成した 「競争力のある小国の科学技術動向(2013年度版)」 という資料でスイスの科学技術動向について記載されている.
Switzerlandについて
- 国民一人あたりのGDPが高い.
- 対GDP比でみると研究開発費の割合は高くない(2.87%,日本・韓国・イスラエル・北欧などトップグループは3%を超える).
- 民間の研究開発費が多い.
- 基礎研究投資の対GDP比(0.77%)は世界トップ
- 研究者数は絶対数,対雇用者数比ともに他の先進国に比べて相当少ない.⇒ 選択と集中(特に医療・バイオ分野).
- 化学・製薬(46%),金属・機械分野(18%)への民間研究開発費が多い.
- ドイツ,英国,イタリア,フランスなど欧州近隣国との国際共同研究多い.米国との共同研究も多い.
- 環境要因として,
- 基礎研究への十分な投資
- 二重教育 (学術的教育と職業教育): 高等教育と職業訓練が社会的に同等の価値で,どちらのキャリアでも就業機会・賃金格差が少ない. 故に大学進学率が低く(20%程度),エリート教育が行われている.
- 国際性と対外開放性(立地,語学力)
- 他の環境要因としては,優れた研究者・技術者の存在,治安の良さ,生活の質の高さが人材を惹きつけている.
EPFLについて
- QS University ranking: ETH Zurich 9位, EPFL 14位 (2015/2016)
- 10,000人程度の学生,3,500人程度の研究者・スタッフ
- 教授陣の半分以上が外国籍
- 産学連携拠点として「イノベーション・スクエア」,産学共同プロジェクト,資金援助などを積極的に推進.
- 全ての高等教育は公立であり,1990年代の不況時以降,大学から産業界への技術移転が促進する仕組みが求められていた.
個人的な実感として
- スーパースター教授の招聘
- ヨーロッパ各国からのPhD assistants
- PhD学生の給与は大学持ち
- 米国を含む各国からのpost doctoral researchers
- 学内講演の全学開放性
- ヨーロッパ各国からの日帰り講演可能