このパッケージの主なプログラム pmd は 並列分子動力学 (parallel molecular dynamics) の略であり,並列 (分散メモリ) コンピュータ上で空間分割手法を用いた分子動力学 (MD) を実行する.
pmd の主な特徴は以下のとおり:
- 固体系向けのいくつかの原子間ポテンシャルを利用可能
- 深層ニューラルネットワーク (DNN) 原子間ポテンシャル
- QEq または 可変電荷 クーロンポテンシャル
- 空間分割手法を用いた MPI 並列計算および OpenMP を用いたハイブリッド並列化
- リンクドセルリスト法を用いた効率的な近接原子探索
- 単純な速度減衰法または FIRE アルゴリズムを用いた構造緩和
- 温度制御法:Berendsen および Langevin
- 圧力制御法:Berendsen
- 可変タイムステップ MD による高エネルギーイオン衝突シミュレーション
- 非平衡 MD (NEMD) による熱流束およびイオン流束のシミュレーション
- 二温度モデル MD (TTM-MD) によるレーザーアブレーションシミュレーション
このプログラムは主に個人の研究ツールとして開発されているため,完全でも網羅的でも多機能ではない.また,pmd とほぼ同じことができる (オープンソースの) MD プログラムもいくつか存在する.しかし,pmd または親パッケージ nap にしかできない機能もある.特定の目的で pmd または nap を使用したい場合はメールまたは GitHub 上で質問すると回答すると思う(できないかもしれない).
pmd および nap に関するバグ報告や質問は歓迎するが,すべての報告や質問に対応できない可能性がある.
ページリンク
- 02_install — pmdのコンパイルやnappyのインストール方法
- 05_usage — pmdの実行方法
- 04_in-pmd — pmdプログラムの設定ファイル(
in.pmd
)の文法 - 03_pmd-file — pmdプログラムの構造情報ファイル形式
- example — pmdプログラムを使ったシミュレーション例
- forces — 利用可能なポテンシャル・力場の説明